

「 取 り 組 む 社 会 課 題 」
T a s k 1
性的姿態等撮影罪
(令和5年7月13日施行)
盗撮犯罪の実態:見えない性暴力
盗撮は「気付かない性暴力」とも呼ばれる特殊な性犯罪です。この犯罪の特徴は、被害者が盗撮されていること自体に気付かないことがほとんどであり、これが被害の深刻さを一層助長しています。
逮捕に至るケースはごく一部
盗撮犯罪で逮捕に至るのは極めて稀であり、実際に検挙される件数は全体の「氷山の一角」に過ぎません。さらに恐ろしいのは、たとえ1,000人の被害者が存在しても、通報された1人だけが「表に出た被害者」となる現実です。多くの被害者がその被害に気付かないまま、または気付いても恥や恐怖から声を上げられない状況に置かれています。
暗数の盗撮被害者:見えない実態
盗撮は被害が潜在化することがほとんどで、犯罪の被害者数を正確に把握することは困難です。
警察庁の統計データ
全国の盗撮事犯の検挙件数は、年々増加しているものの、これは被害全体のごく一部を反映しているに過ぎません。
- 平成22年: 検挙件数 1,741件 → 令和元年: 検挙件数 3,953件 → 令和4年:検挙件数5,737件
この増加は、盗撮が依然として深刻な社会問題であることを示すと同時に、盗撮の目的が多様化し、それに応じてデバイスの進化による盗撮手口の巧妙化が背景にあります。
盗撮の実態が見えにくい理由
犯行の隠密性
盗撮は、犯行が目立たず証拠の発見が非常に困難です。
犯罪に対する意識の低さ
インターネット上で盗撮映像が売買されるなど、犯罪のビジネス化が進んでおり、倫理観が麻痺している状況です。
盗撮犯罪が軽視され、「誰も傷つけていない」という誤った認識が加害者側に広がっています。
社会的認識の不足
盗撮が重大な性犯罪であるという認識が広く浸透しておらず、「軽犯罪」として捉えられることが多い点も問題です。
盗撮事犯の検挙件数・人員(平成22年から令和元年まで)
年 | 平成 22年 | 平成 23年 | 平成 24年 | 平成 25年 | 平成 26年 | 平成 27年 | 平成 28年 | 平成 29年 | 平成 30年 | 令和 元年 |
検挙 件数 | 1,741 件 | 1,930 件 | 2,408 件 | 2,722 件 | 3,265 件 | 3,625 件 | 3,500 件 | 3,588 件 | 3,926 件 | 3,953 件 |
検挙 人員 | 1,639 人 | 1,798 人 | 2,273 人 | 2,535 人 | 3,025 人 | 3,724 人 | 3,082 人 | 3,102 人 | 3,304 人 | 3,166 人 |
そして盗撮に用いられる、小型カメラの低価格化により被害は年々増え続けまたインターネットの普及により盗撮の目的も個人で楽しむからネットで販売するというような新しいビジネスへと進化しています。

1000円~程度でネット・店舗でも安易に購入できる。
左上 USB充電型 右上 ペン型
左下 サイコロ型 右下 火災報知器型
そして一度ネットに流出したものを回収するのは100%不可能といわれています。
T a s k 2
盗撮被害1位は子ども
盗撮被害は成人だけではない
1番の被害者は子ども
多くの子どもたちが盗撮の被害に遭っている
盗撮という性犯罪が年々深刻化し、その被害は成人女性のみならず「児童の性的搾取」を含む児童ポルノの製造にかかわる卑劣な性犯罪です。
Task1のように盗撮罪は存在しないため子供を狙った盗撮が判明した場合「児童ポルノ事犯」での検挙となります。
平成28年上半期 被害児童の被害態様別割合 1位
平成30年上半期 低年齢児童(小学生以下)の被害様態別割合 1位
平成30年上半期 児童ポルノ事犯検挙状況年間上昇率 1位
令和元年 上半期 低年齢児童(小学生以下)の被害様態別割合 1位
児童ポルノの製造に大きく関与してくるこの盗撮という犯罪の撲滅を目指さない限り児童ポルノによる被害児童は増える一方だといえます。
児童ポルノは児童の性的搾取、児童の性的虐待の記録です。
これは児童の権利を踏みにじるものであり、この権利は保護する義務が私たち大人にはあるのです。(児童の権利条約により)
これからの未来を担う子どもたちを守っていくのは私たち大人なのです。
T a s k 3
PTSD(心的外傷後ストレス障害)症例
強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。 震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などが原因になるといわれています。
PTSDとは…
盗撮をされているかもという不安から、公共のトイレや駅、施設を自由に使う事ができない方々がいます。誰しもが自由な生活を約束されているにも関わらず、こういった不安を抱えて生きている人がいるという事実をうやむやにし、盗撮されても泣き寝入りするしかなく、外出する事すら制限されていることをやむ無しと放置し何の対策もとられていないのが現状です。
盗撮は誰にでも起こり得る性犯罪です。
気付かなくても被害は確実に存在します。
社会全体での意識改革が必要です。